「にいがた安心こむすび住宅」が119件に

住宅を購入するとき、「家を買うなら、やっぱり新築」と考える方はまだ多いのではないでしょうか。一方で、建築費や住宅価格を取り巻く環境が変わる中、新潟県でも中古住宅を活用する考え方が少しずつ広がっています。
その動きの一つが、新潟県が進めている「にいがた安心こむすび住宅」です。空き家を子育てしやすい住宅へリノベーションし、子育て世帯や若者夫婦世帯へ販売する取組です。
新潟県が2026年9月24日に公表した事業進捗状況によると、販売中が9件、工事中が51件、販売済が59件で、合計119件の住宅で事業が進められています。2026年度は申請が予算上限に達し、8月26日で新規の交付申請受付が終了しました。県内でも、空き家を再生して次に住む人へつなぐ流れが広がってきていることがうかがえます。事業の詳細や進捗状況は、新潟県のホームページで確認できます。
なぜ今、中古住宅なのか。「新築か中古か」だけではなくなっていく

背景の一つは、住宅を取り巻く環境の変化です。建築資材や人件費などの上昇で、新築住宅を建てる費用は以前より大きくなりました。一方、新潟県では空き家が年々増えています。新しく建てる住宅の価格が上がる一方で、すでに建っている住宅は増えているのです。これまで十分に活用されてこなかった住宅を適切に整備し、もう一度住宅市場へ戻すことができれば、住宅を探す方の選択肢は確実に増えます。
これからは「新築か中古か」という単純な二択ではなくなるのかもしれません。築年数は経過していても状態の良い住宅、性能向上のための改修が行われた住宅、子育て世帯が暮らしやすいように整えられた住宅、古い建物の良さを残しながら現在の暮らしに合わせた住宅など、中古住宅といっても状態や性能は一軒一軒異なります。
だからこそ、「築○年」という数字だけで判断するのではなく、「現在、その住宅がどのような状態なのか」を見ることが、今まで以上に大切になってくるのではないでしょうか。同じ築年数でも、これまでの維持管理や改修の内容によって、住み心地や今後の修繕の必要性は大きく変わります。購入前に建物の状態を専門家の目で確認しておくことが、安心して住まいを選ぶうえでのポイントになります。
住宅を「使い続ける」という考え方と、これからの中古住宅市場

建築の仕事をしていると、建物は完成した瞬間だけが大切なのではないと感じます。建物は完成してから何十年も使われていくものです。適切に維持管理し、必要な時期に手を入れながら長く使う。最初に住んだ人が使わなくなった後も、状態が良ければ次の人が住み継いでいく。こうした考え方は、住宅づくりの中でこれからより重要になっていくと思います。
特に新潟県のような雪国では、積雪や湿気、寒さなど、建物にとって厳しい環境があります。屋根や外壁、基礎まわりなどは、雪や湿気の影響が表れやすい部分です。定期的に状態を確認し、傷みが小さいうちに手を入れることで、大きな修繕を避けやすくなります。新築時から将来の点検や修繕のしやすさまで考えて設計することが、結果として住宅の価値を長く保つことにつながります。
中古住宅の情報も、これまでは価格・場所・築年数・間取りを見ることが中心でした。今後は、どのような改修が行われているのか、どのような性能を持っているのか、これからどのくらい長く使えるのかといった「建物そのものの情報」が、より重要になってくるのではないでしょうか。新築を建てる、中古を購入する、今の住宅を改修する、空き家を次の人へつなぐ。住宅の選択肢は、これからさらに多様になっていきそうです。
アーキワイドでも、新築住宅だけでなく、既存住宅や建物の改修・活用などについてご相談を承っております。これから住宅を購入される方、現在所有されている建物についてお悩みの方など、気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
