建築士というと、一度資格を取得すれば、そのままずっと仕事ができるというイメージを持たれている方も多いかもしれません。実は建築士には、3年に一度「定期講習」というものがあります。正確には建築士免許そのものを3年ごとに更新するわけではなく、建築士事務所に所属する建築士には、3年ごとの定期講習の受講が義務付けられています。
そして私も、今年がちょうどその受講の年。「もう3年経ったのか」と思いつつ、そろそろ申し込みをしなければと思っているところです。今回は、一般の方にはあまり知られていない「建築士の定期講習」について、少しお話ししてみたいと思います。
建築士も3年に一度、知識をアップデート

建築士定期講習は建築士法に基づいて行われるもので、建築士事務所に所属する一級建築士・二級建築士・木造建築士は、原則として3年ごとに受講する必要があります。
建築士になるためには試験に合格する必要がありますが、資格を取得したときの知識だけで、その後ずっと仕事ができるというわけではありません。建物に関係する法律や基準は、時代に合わせて変わっていきます。建築基準法をはじめ、省エネルギー、耐震、防火、バリアフリーなど、私たち建築士が確認しなければならない内容は非常に幅広く、法改正や制度変更も少なくありません。
特にここ数年は、建築物の省エネ化や住宅の断熱性能などへの関心も高まり、建物に求められる性能も大きく変わってきました。普段の設計業務の中でも、その都度新しい制度や基準を確認しながら仕事を進めていますが、定期講習では、こうした法令や制度の改正、設計・工事監理に必要な知識などをあらためてまとめて確認することができます。
3年に一度、これまでの知識を振り返るとともに、新しい制度や考え方を取り入れる「知識のアップデート」の機会といえるのではないでしょうか。
今年はオンライン講習を受けてみようと思います

これまで建築士の定期講習というと、指定された日に講習会場へ行き、講義を受けて最後に修了考査を受ける、というスタイルが一般的でした。私自身もこれまでは会場で受講してきました。
現在は従来の会場での講習に加えて、オンラインで受講できる方式も用意されています。講義動画をインターネット上で視聴することができ、一度にすべて受講するのではなく、自分の都合に合わせて分けて受講することもできます。そこで今年は、私も初めてオンラインで受講してみようと考えています。
設計の仕事をしていると、図面を描くだけでなく、現場確認や打合せ、役所との協議などで事務所を出ることも多くあります。そのため、決められた一日を丸々空けるよりも、仕事の予定を見ながら受講できるオンライン方式は便利そうです。
もちろん、オンラインだから動画を流しておけばよいというものではありません。必要な講義を受講し、最後には修了考査もありますので、内容をきちんと理解する必要があります。仕事や打合せでもオンラインを利用することが珍しくなくなりましたが、建築士の定期講習についても受講方法を選べるようになり、こうしたところにも時代の変化を感じます。
実際に受講してみてどうだったのかは、また機会があればブログでご紹介したいと思います。
建築士は資格を取ってからも学びが続きます

建築士になるためには、試験に合格するまでかなりの勉強が必要です。ただ、実際に建築士として仕事を続けてみると、資格を取ってからも新しく学ぶことがたくさんあります。法律が変われば内容を確認し、新しい建材や設備が出ればその特徴を調べます。断熱や省エネ、耐震などの考え方も少しずつ進化しています。
そして、実際に設計する建物は一つとして同じものがありません。住宅ひとつをとっても、敷地の条件や周辺環境、ご家族の人数、生活スタイル、予算などによって答えは変わります。「前回こうだったから今回も同じ」というわけにはいかないところが、建築の難しいところでもあり、面白いところでもあります。
建築士という仕事は「資格を取ったら完成」ではなく、仕事を続けている限り、新しいことを学び続けていく職業なのだと思います。3年に一度の定期講習も、単に法律で決められているから受講するというだけではなく、日々の仕事を振り返りながら、知識をアップデートする良い機会なのかもしれません。
今年は私も定期講習の年。今回は初めてオンラインでの受講を考えていますので、3年前から変わった制度や新しい内容などもしっかり確認して、これからの設計に生かしていきたいと思います。
