親子でできる夏休み自由研究!建築士と学ぶ「家の中で一番暑い場所はどこ?」

はじめに

夏休みになると、「今年の自由研究は何にしよう?」と悩むご家庭も多いのではないでしょうか。

自由研究というと、工作や昆虫観察、植物の栽培を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、毎日暮らしている「家」そのものが、実は身近な研究テーマになることをご存じでしょうか。

私たち建築士は、家を設計する際に「冬は暖かく、夏は涼しく過ごせる家」を目指して、窓の位置や断熱材、風の流れ、屋根や軒の形などを細かく考えています。

今回は、ご家庭にある温度計やデジタル温湿度計を使って簡単にできる自由研究をご紹介します。家族で楽しみながら取り組めるだけでなく、「どうしてこの場所は暑いの?」「どうしたら涼しくなるの?」と考えるきっかけにもなります。普段何気なく暮らしている家を、建築士と一緒に探検する気分で観察してみましょう。

家の中で一番暑い場所を探してみよう!

まずは、家の中のいろいろな場所で温度を測ってみましょう。おすすめは、リビング、子ども部屋、玄関、廊下、2階の部屋、階段、北側の部屋、南側の部屋、窓際、エアコンの近くなどです。

測る時間は、朝・昼・夕方の3回がおすすめです。同じ場所でも時間帯によって温度が変わることが分かります。

さらに、天気(晴れ・くもり・雨)や窓を開けていたか、エアコンを使っていたかなども一緒に記録しておくと、研究としてより深みが出ます。

結果を表やグラフにまとめると、「2階は昼になると急に暑くなる」「北側の部屋は一日を通して温度が低めだった」など、普段は気づかない発見があるかもしれません。

ここで終わりではなく、「なぜそうなったのだろう?」と考えることが、自由研究の一番大切なポイントです。

建築士は「暑さの理由」をこんなふうに考えています

測定結果を見ながら、その理由を家族で話し合ってみましょう。

例えば、2階が暑くなりやすいのは、暖かい空気が上にたまりやすいことに加え、屋根から伝わる熱の影響を受けやすいためです。

また、南向きの大きな窓は冬にはたくさんの日差しを取り込めるメリットがありますが、夏は強い日差しによって室温が上がりやすくなります。逆に、北側の部屋は直射日光が入りにくいため、比較的涼しく感じられることがあります。

建築士はこうした特徴を考えながら、夏の日差しを遮る軒やひさし、熱を伝えにくい断熱材、風が通り抜ける窓の配置、外付けの日よけやすだれなどを組み合わせて、快適な住まいを設計しています。

自由研究では、「どうして暑いの?」だけでなく、「どうすればもっと涼しくできるかな?」というアイデアを書き加えると、建築の工夫をより身近に感じられるでしょう。例えば、「午前中だけカーテンを閉めてみたら温度はどう変わる?」「窓を2か所開けると風の通り方は変わる?」など、小さな実験を追加してみるのもおすすめです。

家族で考える「もっと快適な家づくり」

自由研究の最後は、結果をもとに「もっと快適な家にするにはどうしたらいいだろう?」を考えてみましょう。

例えば、よしずやすだれを付ける、グリーンカーテンを育てる、朝や夕方の涼しい時間に換気をする、窓の開け方を工夫する、遮熱カーテンを使うなど、今日からできる工夫がたくさんあります。

新築やリフォームでは、断熱性能を高めたり、窓の種類や配置を工夫したりすることで、さらに快適な住まいを実現できます。しかし、今住んでいる家でも「日差し」「風」「影」を意識するだけで、体感は大きく変わります。

自由研究は、正しい答えを見つけることだけが目的ではありません。自分で観察し、考え、工夫することが何より大切です。建築も同じで、家族の暮らし方や地域の気候に合わせて、一つひとつ答えを探しながら設計していきます。

今年の夏休みは、家族みんなで家の中を少し違った視点で観察してみませんか。普段何気なく過ごしている住まいにも、たくさんの発見があります。その小さな気づきが、建築やものづくりへの興味につながるかもしれません。

アーキワイドでは、これからも建築をもっと身近に感じていただける情報や、暮らしに役立つアイデアを発信してまいります。ぜひこの夏は、親子で「家のひみつ」を探す自由研究にチャレンジしてみてください。